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春の小川  
 
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春の小川の石碑・代々木八幡駅近く
 
いつも利用する小田急線、代々木八幡駅近くの沿線に、黒みかげ石の石碑を見かけます。隣に色あせた「春の小川を守る会」の看板があり、はじめてこの看板を見た時は、まじかに新宿の高層ビル群を臨むこの地に、文部省唱歌として歌い継がれてきた「春の小川」が流れていたとは半信半疑でした。
ある時、電車を降りて石碑を訪ねてみました。


  春の小川はさらさらいくよ
   岸のすみれやれんげの花に・・・・

高野達之・作詞  岡野貞一・作曲による大正元年の作品で、実に100年以上歌い継がれている歌詞が刻まれていました。案内版によれば、すみれやレンゲの咲く川辺を、近くに住まいしていた高野達之は、しばしば散策したと記されています。
ちょうどこの頃の代々木の風景を撮った写真を見る機会がありましたが、なだらかな丘陵に拡がるのどかな田園風景、所々に雑木林が残り、農家が点在していました。そんな中を「春の小川」河骨川(こうほねがわ)は流れていました。
わき水が流れ、渋谷川に流れ込む、わずか3kmの小川だったそうで、川の名前のとおり黄色いコウホネが咲いていたそうです。
現在、道をはさんで東の方に代々木公園が拡がっていますが、かっては練兵場として利用されていたそうで、武蔵野の面影を残す雑木林だったと聞いています。
昭和39年、東京オリンピック開催のため、当地は区画整理され「春の小川」は暗きょとなってしまいました。

時々、車窓にこの歌碑を見るたびに、「春の小川」の情景を想像し、スミレ、アカネ、ノジ、マルバ、タチツボ、ニオイタチツボ、ニョイ・・・などと、景色とともにすみれが浮かんできます。







春の小川はさらさら流る
岸のすみれやれんげの花よ
にほひめでたく色うつくしく
さけよさけよとささやく如く






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